移住しようと思い立ったとき、あなたはどのように行動しますか?
多くの人は「まずは情報収集しよう」と考えるのではないでしょうか。
しかしその情報収集がかえって移住計画にブレーキをかける要因になってしまう事があります。
この記事では移住を計画するうえでハマりやすい間違った情報収集と移住計画を立てるうえで外してはいけない基本的な流れについて解説します。
✅「なんとなく移住もいいかも・・・と思い始めた」
✅「移住したいけれど、どのように計画を立てたらいいの?」
✅「いろいろ情報収集しているけれど、なかなか前に進んでいかない」
そんな人の役に立ちます。
移住計画にブレーキをかける間違った情報収集
最初はワクワクした気持ちで始める移住のための情報収集。
しかしいきなり情報収集を始めてしまうと移住計画にブレーキがかかってしまうことがあります。
理由は情報に振り回されてしまうからです。
いまや全国の地方自治体が移住窓口サイトを設け、地域の魅力をアピールして移住者を呼び寄せようとしています。
美しい景色や地域の人たちの笑顔を集めた画像や動画を見ると「ここに住んでもいいかも」と思わせるものばかり。
しかしいざそこに暮らすことを考えると思った以上に調べることが多いのがわかります。
気候風土や交通網、インフラの整備状況など基本情報に加え、仕事・医療・教育・など暮らしていくうえで必要な地域の情報など調べる項目は多岐にわたります。
しかも多くの場合、今の暮らしと比較すると不便になってしまいがち。
情報収集すればするほどデメリットばかりが目につくようになり「ちょっと違うかも・・・」と別の候補地を探し始めるようになります。
そんなことを繰り返していくうちにワクワクした気持ちがなくなり、最終的には移住をあきらめるという結果に繋がりかねません。
このような最悪の結果にならないためにも、いきなり情報収集を始めるのではなく、まずはしっかりと計画を立てることが重要になります。
移住計画が必要な3つのワケ
そもそも移住の計画はなぜ必要なのでしょうか。
あらためて計画を立てる理由を整理しておきましょう。
目的を確認するため
大前提として計画は目的を達成するために立てるものです。
ところが実行している段階でその目的を見失ってしまい、自分がどこに向かっているのかわからなくなってしまうことがあります。
例えば、あなたがまだ行ったことがない場所に行こうとしたとき、スマホの地図アプリをひらきますよね。目的地がどこにあり、どのようなルートで何時間かかるのかが一発でわかります。
では、そのスマホを持たずに目的地にたどり着けるでしょうか。
おそらく途中で今いるところがどこなのか、どちらに進めばよいのか不安になってしまいます。
わからないまま進んでも迷うだけですし、不安すぎて先に進めなくなってしまうこともあるでしょう。
いつでもどこでもスマホを取り出し、地図アプリで目的地を確認できることがどれだけ安心かわかります。
この地図アプリが計画です。
移住計画を立てておけば目的を見失ったときに原点に立ち返り、確認しながら安心して先に進むことができるのです。
やることが明確になり無駄がなくなる
移住実現には時間と労力と費用が掛かります。
まずは移住先を見つけるところから始まり、候補地が見つかったらその場所の生活環境の把握、土地や建物の物件調査など、直接動いて確認することが多く、それに伴いどうしても時間や費用も掛かってしまいます。
実例を見てみましょう。
東京都内在住ご夫婦の場合 移住先:長野県佐久市
期 間 | 4年 具体的に行動をはじめてから移住実現まで |
---|---|
足を運んだ回数 | 25回 2ヶ月に1回ペース |
1回あたりの費用 | 約6万円 往復新幹線代(東京~佐久平)+レンタカー代+宿泊費 |
トータル費用 | 150万円 別途:東京駅までの交通費、ガソリン代、食事代 |
移住先や家族構成によって変わりますが、首都圏からの移住先では比較的距離の近い長野県でも実際にこのくらい時間と労力と費用が掛かっています。
もちろん候補地を選んだり情報を集めるのに時間を掛けることは重要です。
しかし移住の計画では、この時間の増加がそのまま費用の増加につながることを理解しておく必要があります。
事前に計画を立て、やることを明確して効率的に行動すれば、これらの時間や労力、費用を極力抑えることが可能になるのです。
いまやるべきことに集中できる
移住は暮らしの環境を変えるので、考えなければいけない事柄が多岐にわたります。
計画を立てておけば、いま整理すべきこととその理由がわかっているので迷いがありません。
また「自分で出来ること」と「自分には出来ないこと」、あるいは「自分にしか出来ないこと」と「自分でも出来るけれど誰かにやってもらったほうが良いこと」の区別が明確になるため、すべてを抱え込まずにストレスなく、いま自分がやるべきことに集中できます。
では「自分には出来ないこと」や「自分でも出来るけれど誰かにやってもらったほうが良いこと」とは何でしょうか。
例えば、地域の人間関係や風習などは住んでみないとわからないことであり、移住前に完全に理解できるものではありません。「自分には出来ないこと」と分類しておけば、理解するために過剰に時間を掛けるのを避けられます。
また、移住先で中古住宅の購入を検討するときなど、大きな問題が潜んでいないか、リフォーム費用がどのくらい掛かるのか、自分だけで調査・判断するのは難しいですよね。
これらは「自分でも出来るけれど誰かにやってもらったほうが良いこと」に分類し、確かな知識をもっている専門家に依頼したほうが、自分で調べるよりはるかに早く、正確な情報を得られます。家を建てようとした場合の設計などもこれに当たります。
多少の費用負担があっても自分で出来ることと並行して進められるので、そのぶん時間と労力を抑えることが可能になります。
移住計画を立てるうえで外してはいけない基本的な流れ
実際に移住計画を立てるうえで外してはいけない基本的な流れがあります。
【ブレない心を持つ→候補地をピックアップ→行ってみる・感じてみる→必要な情報だけを集める】
この流れに沿って計画を立てれば失敗するリスクを最小限に抑え、迷いなく効率的に移住を実現できるようになります。
1つずつ確認していきましょう。
ブレない心を持つ
移住に失敗する理由は多くの場合情報不足です。
しかし移住した人の中にはこれといった情報収集をせず、理想とする暮らしを手に入れた例も少なからずあります。
この両者の違いはズバリブレない心。
「なぜ移住したいのか」「移住してこのように生きていきたい」といった想いを言語化し、ブレない軸としてしっかりと心に据えていれば、他人の意見や情報に振り回されることもありません。
極端に言ってしまえばブレない心の軸ができてさえいれば、「いきあたりばったり」で行動しても移住は成功するでしょう。
そのくらい大切なことなので、「なぜ移住するの?」と聞かれたとき、迷わず「私は○○したいから移住します」と言えるように、必ず最初にブレない心を形成してください。
候補地をピックアップ
ブレない心を軸に据えれば移住候補地は自然と絞られます。
利便性や暮らしやすさといった情報ではなく、自分の「○○したい」という想いに合っているかどうかを優先してピックアップしましょう。
ただし「○○する為には△△が必要だから□□に近いほうが・・・」とならないように注意してください。
コツは思考ではなく感覚です。
「気持ちよさそう」「ホッとする」といった感覚を大切にピックアップしてみてください。
ズバリおすすめは3か所です。
それ以上になると実際に現地に足を運ぶ際の時間や費用の負担が増してしまううえに、選択肢が多くなり迷いやすくなってしまいます。
行ってみる・感じてみる
候補地をピックアップしたら現地に足を運んでみます。
ここでも思考ではなく、実際にその候補地の空気や雰囲気に触れた感覚を信じて、やはり自分に合っているかを軸に絞り込んでください。
意識してほしいのは五感です。
目に見える景色、深呼吸したときの匂い、聞こえてくる音などに不快なものがないか一つ一つ時間を掛けて感じてみましょう。
必要な情報だけを集める
ここでやっと本格的な情報収集をはじめます。
いろいろ調べたくなりますが、ここではピックアップした候補地であなたが移住して叶えたいことを実現するために、必要な情報だけを集めることに注力しましょう。
移住は手段であってゴールではありません。
例えば・・・
・候補地よりも隣の町のほうが移住者に交付される補助金が多い
・畑のある土地を探していたが、畑なしの手頃な価格の中古住宅を見つけた
これらは移住がゴールであるならば魅力的な情報ですが、何のために移住するのかという目的からはズレています。あなたの目的を達成するために必要な情報ではないので、迷わず切り捨てましょう。
では必要な情報を効率的に集めるにはどうすればよいのでしょうか。
答えはその地域にいる先輩移住者の声を聞くです。
なぜなら地元の人よりも先輩移住者のほうがあなたの感覚に近いから。
先輩移住者は、移住を考える人がどのような情報を知りたいのか、なにを不安に思うのか実感値としてわかっているので、有益な情報を得られやすいのです。
候補地に移住者がいるかどうかは市町村の移住相談窓口で教えてもらえますので、ぜひ実践してみてください。
まとめ
今回は移住を計画するうえでハマりやすい間違った情報収集と移住計画を立てるうえで外してはいけない基本的な流れについて解説しました。
おさらいしましょう。
いきなり情報収集を始めると情報に振り回されてしまい、移住を断念してしまう可能性がある
目的を確認するため
やることが明確になり無駄がなくなる
いまやるべきことに集中できる
ブレない心を持つ
候補地をピックアップ
行ってみる・感じてみる
必要な情報だけを集める
計画を立てればすぐに希望に合った移住先が見つかるとは限りません。
でも決して焦らないようにしてください。
もし見つからなくても、もう一度この基本的な流れの【候補地のピックアップ】に戻って進めていただければ大丈夫です。
ブレない心を持ってさえいれば、あなたの計画が破綻し移住をあきらめる=移住に失敗するという結果にはなりません。
移住失敗という最大のリスクを取り除くために、しっかりと計画を立て理想とする生きかたを手に入れましょう。
今回も読んでいただき、ありがとうございます。